白菊ほたる - 担当アイドルの台本を自分で決めてしまった話 -
はじめに
こんばんは。まつたけんです。
プロデューサーの皆様。いかがお過ごしでしょうか。
もはや月間白菊ほたるが展開されていると言っても過言ではないシンデレラガールズ。
12月1日に6thライブの業務連絡にてCDデビュー決定。
1月1日にデレステのオールスターカウントダウンライブにボイスを引っ提げ電撃参戦。
そして先日、1月22日にモバマスの初期Rカード「白菊ほたる」にボイス実装。
更に同日、ラジオ番組「デレラジ☆」にて再度白菊ほたるが世間の陽の目を浴びる事となりました。
今回は天野さん*1が演じる白菊ほたるの声についてのお話と、デレラジ☆についてのお話を少し記していこうかなと考えています。
12月1日の事はこちらに。
nebosuke-matsutaken.hatenablog.com
1月1日の事はこちらに。
nebosuke-matsutaken.hatenablog.com
それぞれ記事があります。
その時の事についてはお時間が許せばそちらをご覧になってくだされば、と思います。
それではまずは、声のお話から。
■信頼と確信
見ろと言っておいてなんですが、1月1日の記事は内容が無いので、こちらで軽く。
あの日は年越しを居酒屋で過ごし0時2分頃に崩れ落ちて、その後とにかくなんか書こうと思って書いたやつだから仕方ない。
さて。
白菊ほたるさんの声、聞きました?
聞いたことなかったら聞いてね。
この先ネタバレしかないからね?
それはまぁ仕方ないよね。
という訳で、下に二つの台詞を貼りました。注目するのは語尾の発音です。こちらは弱弱しく探るような声で発音しているのに対して、こちらはハッキリと芯のある声で言いきっています。
これらは何が違うのか。
自分のせいで〇〇な時はか細く、自分が〇〇をしたい時は力強く発音しているのかなぁと私は考えたのですが。
そもそもの問題として、実はここでは私自身の解釈などは比較的どうでも良いんですね。
それは私が勝手にそう思っていれば良いだけなんです。
けれども。
けれどもですね。
ここにはハッキリとした"違い"があったんですよ。
能動的に創り出された違いが、ここに存在しているんです。
改めて画像の文字だけをまじまじと見てください。
この文章だけを見て、白菊ほたるを知らない人が声色を想像出来ると思いますか?
そうなんです。
これはディレクション及び演技によって創り出された違いなんですよ。
この年始コミュの製作に携わった運営スタッフさん達は間違いなく。
間違いなくですよ。
「白菊ほたるならこう喋るべきだろう」
というビジョンを持っています。
そうでなければ絶対にこうはなりません。
だから声を聴いて感動して、台詞の間で感動して、演技全体を聴いて感動して。
そして私は安心したんです。
私はこれを聴いて居酒屋でちょっと泣きましたが、二重の意味で泣いていました。
ほたるの声を初めて聴けただけじゃない。
白菊ほたるは間違いなく、素晴らしい製作陣に支えられているな。
と、そう感じたんです。
■祝!ラジオ出演
月日は流れ。あ、いや……あんまり流れてなかった。とにかく。
あぁ、CD楽しみだな~。どんな曲なのかなぁとか思って過ごしていたら。
次なる衝撃の事実が。
祝!天野聡美さん、デレラジ☆初出演!!
おお。おお?おお。
へぇ~。なるほどなるほど。
えええええええええええええ。
みたいな感じでした。
ラジオ番組というとお便り。お便りです。
これまであんまりラジオ番組と関わる事の無かった私ですが、それぐらいは分かります。
分かりますともさ。
じゃあ何か書くかってなりますよね。
同志ほたるPはみんななったと思うし、きっとみんな色々なものを書いて送ったのだと思います。
ラジオ番組って必ずコーナーがいくつかあって、お便りは各コーナーに宛てて送る事になります。
ワタシ調べたのでラジオ、チョットクワシイ。(エッヘン)
で、デレラジ☆ではどんなコーナーがあるのかを調べてみました。
というか投稿フォームの近くにあったので読みました。
具体的に言うと
響 - HiBiKi Radio Station - | デレラジ
ここですね。
コーナー紹介のタブに説明が色々書いてあります。
そこで目に飛び込んできたのは「番組冒頭のミニドラマ」という文字。
これって……もしかしてほたる、喋るんちゃう?
え……っと?
そして慌てて確認します。
実は前週分のラジオは同ページから無料で聞けるんです。
だからすぐに全編聞きました。
他のコーナーの事も把握しつつ、聞いてみました。
なるほど~。へぇ~。
ってアイドル、滅茶苦茶喋っとるやないけぇええええええっ!!
■魂を込める、その為に
ここで採用されないで、いつ採用されんの。
真夜中のPCの前で珈琲を飲みながら、なんか独りで頷いていました。
ラジオにお便りを送ったことが無いなんていう泣き言は、もはや許されません。
最高の宝物をほたるに、天野さんに、そして聴いてくださる方々に届けたいじゃないですか。
だから本気でやりましょう。
さぁ、やるぞ。
まずはラジオの尺を測って、構成のテンプレを想像します。
冒頭の部分をシークバーを眺めつつ聞いて、情報を整理。
その結果恐らくですがデレラジ☆では、
「冒頭ミニドラマまでのAN尻*2が4分。出演声優さんの自己紹介があるので、ミニドラマの時間はおおよそ1分半から2分」
ぐらいで最初の部分が出来ているのだと分かりました。
さて。
次にシナリオ文章のテンプレ構成を、前回分の文章全てを繰り返し聞いて書き起こす事で学習します。
ついでにその文字数から原稿の大体の文字数限界を算出。
さらにほたるは1月1日の演技から言って、ハキハキとは喋りません。
ですからその数字よりも少し少なく見積もって……。
だいたい本文「360~380文字」ぐらいかなと、おおよその宛てがつきました。
なお「、」や「…」等も間として機能する為、これらの文字数も無視せずきちんとカウントしなければなりません。
続いて、ネットで「デレラジ☆ お便り ミニドラマ」などの文言で検索する事により、既採用サンプルを大量に獲得しました。
それにより送ったお便りはアイデアが採用されれば、プロの方が格好良くブラッシュアップして下さるのだという事を知りました。
そして同時に
ラジオ番組では声だけで演じている関係上、
「物語の序盤は互いの名前を数珠繋ぎにして呼び合い、間接的に声を紹介するのが良い」
という事と、
最後の部分に番組を始める為の、
「デレラジスター、スタートです!」
といった決まり文句が必要であるという、ラジオ用の特別な型を学習。
そんなこんなで最低限抑えておかなければならなそうなパーツが揃いました。
ここまで揃えば、後は自分が考える最強のシナリオを書いてからガンガン削ってこの型に嵌めこんでいくだけです。
一旦、まとめておきますね。
1. 1分30秒~2分の時間で納める
→ 本文を360~400文字程度に納める。
2. 最序盤に出来る限り1度以上キャストを登場させる
→ 名前を順番に呼ばせて自己紹介の代わりとする。
3. 最後はラジオが始まる文言につなげる
→ デレラジ☆であれば「デレラジスター、スタートです!」など。
4. たぶん、アイデアが一番大事。
→ 思う存分、熱意をぶつけろ!
こんな所なんじゃないかなぁと思います。
もし今後貴方がデレラジへミニドラマを送ろうと考えた時、
この記事のことを思い出して自身の原稿と一度見比べてみるのも良いのかもしれません。
■何を贈るべきなのか
文章を書きます。
しかしその前にまた別のベクトルから調べものをしました。
まずは登場キャストを知る事が必要だからです。
シナリオ内で中身のない言葉しか話さない子を登場させてはいけません。
全てのアイドルには必ずプロデューサーさんとファンの方がいます。
極力は全員の味を引き出してあげる事を目指したい所です。
まぁ頑張れば5人ぐらいなんとかいけるっしょ。の気持ちで組み立てましょう。
私が投書した回は
・渋谷凛(福原綾香さん)
・五十嵐響子(種﨑敦美さん)
・相葉夕美(木村珠莉さん)
・鷹富士茄子(森下来奈さん)
・白菊ほたる(天野聡美さん)
の5名が登場する回でした。
最初に共通点を探します。
この回はほたるが主役である事が確定的に明らかだったので、ほたるを中心にして。
ここである程度シンデレラガールズに詳しければ、
・渋谷凛:お花屋さんの娘。
・五十嵐響子:鳥取県出身。
・相葉夕美:お花が好き。
・鷹富士茄子:付き合いが一番長い。
・白菊ほたる:かわいい。
という事がすぐに分かるかと思います。
一応補足しておきますと、白菊ほたるはお花に関する言及が多いアイドルで、鳥取県出身。
ミス・フォーチュンというユニットを茄子さんと組んでいて、かわいいです。
次にこのシナリオで言いたい事を考えました。
今回は全編が短いので、序破急ぐらいで。
序:ほたるが番組前に緊張しているが、
破:みんなの贈り物と言葉によって、
急:一歩踏み出す勇気を得る。
お、なかなか良いんじゃないですかね。
ベタですけど全体が短いので、王道こそが覇道でしょう。
次に各アイドルに簡単な役割を持たせていきます。
響子ちゃんには、物語の起点になってもらう役を。
夕美さんには、物語の潤滑油的な役を。
茄子さんには、ほたるの情報を引き出してもらう役を。
今回はそれぞれ担ってもらう事にしました。
みんな、ありがとう。
そして。
最後に文章中のキラーワードを考えます。
この言葉を発してくれる子は、言わば私の代弁者です。
私はほたるに「自分を信じて進めば大丈夫」と言いたかった。
言ってあげたかった。
だからそこで、最後のピースを投入しました。
でもこれは偶然でした。
渋谷凛役の福原綾香さんは、天野聡美さんの事務所の先輩で。
シンデレラガールズでの初めての後輩が出来たと。
そして推測でしかありませんでしたが、きっと。
彼女も同じ気持ちでいるだろうと。
どことなく、そう感じていました。
凛には、ほたるを導く役をやってもらおう。
色々な事を考えながら文章を書いていましたが、
贈る言葉と、贈る花は本当にふわっと。
舞い降りるように目の前に出てきましたね。
鳥取県花の梨の花や、彼岸花。鈴蘭や月見草など。
おおよそ、ほたるに関するお花は改めて調べ直しました。
それでも、これしかなかった。
そして出来上がった元原稿がこちらになります。
こうして、私が考えた最強の冒頭ミニドラマが送信されました。余談ですけど、冒頭ミニドラマはデレラジでは「ふつおた」です。
初めて送るので不安でしたが、大丈夫でした。良かった。
■命が吹き込まれるということ
時にラジオ放送日。
直前にモバマスで初期Rにボイス実装がなされ*3、先に死んでいましたが。
21時。遂にその時が来ました。
それではアイドル達に番組をスタートしてもらいましょう。
こちらは、まつたけんプロデューサーが送ってくれたメールを採用しました。
では、どうぞ。
おわー!名前呼ばれたー!?
黙々と聞く私。
凄かった。まずですね。
私が送った文章が1.2~1.3倍ぐらいカッコよくなっていました。
一部順番の入れ替えで全体の流れも良くなってます。
勉強になりました。ありがとうございます。凄い……。
次にですね。
いくつかの語尾の変更でアイドルの性質が際立ってます。
特に夕美さん。
「真実って意味もあるんだよっ」
聞いた瞬間に、あぁああっ夕美さんだぁ!ってなりましたもん。
そっかぁあなるほど確かになぁあああって。
この台本は夕美さんの台詞を尺の関係で削っていて、実は若干台詞不足なんです。
夕美さんに申し訳なかったと思っていたんです。
でもこれ。存在感バリバリじゃないですか。
本当にありがとうございます。凄い。
更にですね。
間ですよ。
この記事の中で、何度か私は間について言及してきた気がします。
こういうのって滅茶苦茶大事なんですよ。
何も話さない時間とか、会話と会話の繋ぎとか。
中でも今回、響子ちゃんの間の取り方が絶妙だと感じました。
茄子さんが喋り終わるや否や、話し始めるんです。
話の内容が、否定の言葉だから!
「でも最終的に私達はこっちを選んだんだよ!」
って、態度だけで現しているんですよ!
凄くないですか?ヤバいって。凄い。
そして茄子さんは安定していましたね。
聴いているだけで安心出来ます。
でも詰め込んだ分、尺がキツキツで普段より少しテンポが上がっているんです。
臨機応変さが凄い。
ごめんね茄子さん。ありがとう。
最後にですね。
音楽です。BGM。それと決め台詞。
渋谷凛擁するトライアドプリムスが歌う、「Trinity Field」が流れていますよね。
これ、サビに入るタイミングでほたるの台詞が被るようにバッチリ計算されているんです。
そして、最後の最後の大盛り上がりに被せて凛が言います。
大丈夫。きっとやれるって、信じてる。
絶対狙って創っていると思うんです。
私は書いたから分かります。
間違いないです。
もう、最高かよ……。
私が創った魂の器に、命が吹き込まれた瞬間でした。
■トロちゃん
良いですよね。
勝手に私からの信頼度が120%になってるんですけど。
本当にとても良く、ほたるの事を考えてくださっている。
表現に悩み、考え、共に歩もうとしてくださっている。
ラジオ本編でも仰っていましたね。
もう本当に。本当にありがたい。
何も考えていなかったら絶対演技、ああいう風にはならないですもんね。
ずっと応援します。共に目指しましょう。
トップアイドルの頂を。
世界に見せてやりましょう。
夢も奇跡も、本物になる瞬間を。
ほたるは本当に良い出会いをしました。
お前は最強のラッキーガールだよ!
■おまけ
今回の原稿には原作では登場していなかった、今回の為の設定がいくつかあります。
それをここにまとめておきます。
・響子はほたるの名前を呼んだことがない
→ほたるちゃん
・茄子さんは夕美さんの名前を呼んだことがない
→夕美ちゃん
・夕美さんは響子の名前を呼んだことがない
→響子ちゃん
・響子は凛の名前を呼んだことがない
→凛ちゃん
・凛はほたるの名前を呼んだことがない
→ほたる
・月見草の話を茄子さんが知るエピソードは公式にはない
→白菊ほたるのモバマスぷちデレラの台詞なので。
・ほたるが月見草を好きかどうかは本当は分からない
→ほたるは月見草を自分に似ていると言った。
本当に好きかもしれないし、茄子さんの勘違いもあるかもしれない。
これを正史として扱うかどうかは、これを読んだ貴方に任せますね。
おわりに
私は今回、自分が魂込めて書いた文章に命の息吹が灯る瞬間を感じました。
プロの方々は凄いし、嬉しいを通り越した後は感心しきりでした。
ほたるはなかなかラッキーだし、最高の再スタートをきっていると思います。
私の書いた台本が、貴方の心に少しでも響いていたら嬉しいです。
それでは、また。