白菊ほたる -シンデレラ7th千葉公演 ライブレポート-

あれは白菊ほたるとしての言葉だった。
「私は今、"幸せ"です」と。
あの時、ほたるがそう言ったのだ。

言われなくても分かるとは思うけど「幸せ」と一言で言っても、
その内容は大きいものから小さなものまで様々な種類がある。
例えば。
私はメロンやいくらを食べればそれだけで幸せな気持ちになるだろうし、
お給金が上がれば幸せになるだろう。
お付き合いしていた人と一緒に居た時には当然多大な幸福を感じていたし、
友人の吉報を祝うのだって大変幸せな事である。
例えば。
白菊ほたる役の天野聡美さんなら中トロを食べれば
滅茶苦茶幸せなのだろうし、ケーキを食べればすごく幸せ。
大トロを食べてもかなり幸せだと思う。
まだあまり知らなくて、食べ物の話ばかりになった。
でも私も中トロ食べたらめっちゃ幸せな気持ちになるし、分かる……って感じだ。

ちなみに白菊ほたるは差し掛かった信号が青色なだけでも幸せを感じる少女である。
また、ゴシックモデルの仕事をした時。
松尾千鶴や佐藤心と魂のやりとりがあった、あのお仕事の時の話だが……。
あの時はランウェイを歩くほたるが幸せであると密かに教えてくれた。
他にも大小関わらず、意外にも今まで結構色々なほたるの幸せを見てきた。
が、全部紹介するのでは当記事の主旨に辿り着けなくなりそうなので流石に我慢しよう。

さて。
2019年9月3日および9月4日に執り行われた、
THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR
Special 3chord♪ Comical Pops!

このライブにて、ほたるの心の幸せ手帳には新たな1ページが追加される事となった。
冒頭に書いた「私は今、幸せです」という言葉は、
2日間あったライブの本当に最後の最後の曲である
"お願い!シンデレラ"のイントロ中に叫ばれたものだ。
白菊ほたるの新たな好きが、新たな思い出が、新たな達成感が。
私達のまさに目の前で新たに記録されたのである。
同志を含む私たちは、そんな記念すべき瞬間に立ち会い、喜び、あるいは涙した。

当記事では白菊ほたるPである私が、
このライブを通じて見た景色を綴っていきたいと考えている。
おっと。
知らない人の為に1つだけ補足がある。
Comical Pops!は、実は白菊ほたるの初舞台だ。
この記事はほたるが初めてステージに立って初めて歌を届けた……
そんな大切な2日間とその周辺の何日かを、私側視点で見た時の記録なのである。

■準備編

まず真に驚くべき事に、グッズが販売されている。
これは私にとっては本当に衝撃的な事実であった。
白菊ほたるをモチーフにした様々なライブグッズやコレクショングッズが、
ネットの店頭に事前物販として並んでいる。
これが……なんと壮観な事であろうか。
ページ送りボタンを押しても押しても、
まだまだ白菊ほたるのグッズが出てくるのである。
当たり前じゃないものが当たり前になった瞬間に立ち合っていた。
これだけで涙が茶碗何杯分流せるか、もはや分かったもんじゃなかった。
私はそのような特別な嬉しさを噛み締めながら、
ライブ用のペンライトを購入したのである。
感謝の念が核爆発を起こし、日本が滅びる所だった。
茄子さんと関ちゃんのペンライトがなかったら自我が保てなかった。
関裕美Pたちの言葉を借りれば、
私はほたりうむを見て発狂していたのだ。
もはや嬉しさに任せて何も考えずに裕美りうむと茄子りうむを追加購入した。
感謝感激関裕美。
ナスじゃなくてカコですよ。
これにより日本は命拾いした。
茄子さんと関ちゃんに地球は救われたのだ。
本当に危なかったと思う。

してこの度、私は名刺を新調する事に決めていた。
キチンとした名刺を持って正真正銘の白菊ほたるPとして、
このライブに参加したかったからだ。
3年程前に1度、私は名刺を作った事があったので今回は2度目の挑戦となる。
デザインはその時とは全く違う新しいものとしたのだが、
当然それにも確固たる理由があった。

名刺と言えば自己紹介の為のツールである。
普通に考えれば「名前」と「所属」と「連絡方法」が判れば良い。
ことTHE IDOLM@STERのプロデューサー名刺であれば、
ここに「担当アイドル」という要素が加わるだろうか。
凝った人ならばWebページや自作コンテンツへのQRコード等を載せたりするかもしれない。
しかしここまで共通しているのは、
基本的にはこれが全て自己紹介の為の情報である、という事だ。

3年前は今とは違い、白菊ほたるの知名度は著しく低かった。
名刺交換を申し込んだ際には良い感じであったとしても精々が
「あ、この子。顔知ってる。ほたるちゃんね!あーそうそう!」
という感じだったのである。
そんな事態になる事は、実は予め察知出来ていた。
まぁ界隈を見ていればすぐにでも分かることだ。
だから3年前の私は。
その限られたスペースにアイドルのセリフを入れ,カード名を入れ,イラストを大きめに載せ。
そして自分の名前を端に追いやり小さくした。
そう。
あの時作成したものはもはや名刺ではなく、
名刺交換をダシにしたマーケティングカードだったのだ。
でももう驚くべきことに、今ではそのようなものは場に相応しくないものとなっていた。
前のデザインは完璧に役目を終えていたのである。

私は嬉々として新しい名刺をデザインした。
その限られたスペースにまずは「名前」と「所属」と「連絡方法」を大きく入れていった。
アイドルの顔はもうおおよその人に割れているので、
シルエットのようなデザインを選ぶ事が出来る。
そして私は万感の想いを込めて
「白菊ほたる担当」
という言葉を最後に付け加えた。
デザインが良いとか悪いとか、格好良いとか悪いとか。
センスが良いとか悪いとか、そういうのは大体どうでも良かった。
ただただ"名刺"を作れる事が嬉しかった。
名刺を作れる状態だという事が、既に私の中では新しかった。
その一点をもって今回の名刺は大変気に入っており、
なんだか良さそうな紙を使用して刷ってしまった。
本当に嬉しくて。
たくさん、たくさん用意した。
ライブ会場で結構名刺交換したけれども、まだまだ沢山残っている。
もしも良い機会があれば貴方にもお渡し出来るのではないかと思う。
私、"まつたけん"を白菊ほたる共々よろしくお願い申し上げます。

■ライブ直前編

さて。ライブ前夜は流石に眠る事が出来なかった。
持ち物や衣類の準備などは既に21時には済んでおり、
やることなどなくネットの世界をフラフラさ迷っていた。
日付が変わった頃には寝ようと考えていたのに、
全く眠れなくてまさに遠足前の子供のようだった。
天気が心配だった。
雨が降れば、イベントの様々な箇所に少しずつ悪影響が出る。
降らないで欲しかった。
眠りにつくまでずっと。
私は事務所や寮の窓という窓にてるてる坊主を吊るしまくるほたるの事を想像していた。

ほたるがひとりで黙々と作っていたのにいつの間にか人が増えていって……。
最終的には事務所のアイドル全員で、てるてる坊主パーティーを行ったに違いないのだ。
1つ1つに願いを込めて、丁寧に窓に吊るしてゆく。
そうこうしているうちに強ばっていたほたるの顔が。
少しずつ緩んでいって、やがて小さく笑顔を見せたのだ。
そして疲れてしまったほたるは寝室へと向かったのだと思う。

……大丈夫。
絶対に大丈夫。
準備も練習もたくさんしたから。
段取りの確認も何度も何度もやったから。
非常時のマニュアルも熟読してある。
てるてる坊主さんだって沢山作った。
お父さんお母さんからも応援してもらった。
事務所のみんなの元気ももらった。
プロデューサーさんだって……。

だから、大丈夫。
絶対に、大丈夫。

……。
そうして夜が更け、夜が明けたのだ。

に9月3日がやって来た。
9月3日というのはアプリゲーム"スターライトステージ"のリリース日であるが、
私にとってはもう1つ大切な意味を持った日である。
今回のライブの日取りが発表された時、
多くの方々は「何故平日に……」と感じたのではないだろうか。
しかし私はこの日程に運命みたいなものを感じていた。
何故ならば。
9月3日というのは私の誕生日でもあったからである。

これほどまでに楽しみな誕生日が、生まれてこのかたあっただろうか。
これほどまでに嬉しい誕生日が、これから先の人生で訪れるのであろうか。

私は友人から戴いた誕生日プレゼントのワンステップスTシャツをその場で着て、
ほたるの法被を身に纏い、ほたるPとしての名刺を携え。
ほたるのペンライトまで持っている。
まさに最終決戦仕様だった。
ゴテゴテした装備こそ持っていないものの、
本当に必要なモノだけを装備した、中々純度の高い白菊ほたるPだった。

後2時間で私は死地へ向かう事になる。
我ながら気が急いていたのだと思う。
ほぼ30分毎にカウントしていた気がする。
ここでその日やりとりしたたくさんの言葉のうち、
強く心に残ったものを紹介させて欲しい。

どうせ我々はこの後、死ぬのだ。
ならば復活までの時間をいかに短くするか。
その方面で我々は勝負するべきだと思う。

聞いた時、なんか凄く納得してしまったものだ。
真理を説かれた気さえした。

ともあれ9月3日は私の誕生日である。
そして担当アイドルのデビューの日だ。
こんなに素晴らしい誕生日プレゼントがこの世に存在して良いのだろうか。
開演まで後、15分。
雨は致命的な程には降らず、
入場等に大きな問題がある様子はなかった。
後、10分。
流石に混んでは居たものの。
トイレを無事に済ませ、席につく。
後、5分。
仲の良い知り合いが実は偶然隣の席だったというサプライズにはちょっと笑った。
後、2分。
きっと想像も出来ない何かが。
これから私の前に突き付けられるのだ。
そして会場の音楽がだんだんと大きくなっていき……

Comical Pops!がついに開演したのである。

■1日目

貴方はカクテルパーティー効果という言葉を知っているだろうか。
どんなに周りがうるさくても自分の名前を呼ばれたならば
結構気付く事が出来るっていう現象についている名前の事である。
これは自分に関係があるものに対して反応が良いっていう感じものなのだが。
なんとなくなんだけど。
私はコレは自分の担当アイドルにも当てはまるんじゃないかと勝手に思っている。
シンデレラガールズのアイドルと言えば200人近く居て、
ズラリとイラストを並ばせると1人を探し出すのは普通は大変な事だと思う。
でも私はそういう時ほたるを見つけ出すのだけは苦労をした経験が全くないのだ。
探し始めてから数秒でほぼ必ず見つけ出してしまう。
貴方にもそういう経験、ないだろうか……。
などと、今までそう考えていたのだけれど、
今回はもしかしたら声であっても分かるのかもしれないって思ったのである。
ライブでは複数人で歌われる全体曲のような楽曲があって、
だいたいそういう時ってみんな
(えっと、誰が歌ってるんだ……?)
ってイントロで一瞬だけなったりする。
それでも貴方は実は担当アイドルや気になっているアイドルの声優さんが出て来てる時に、
結構な確率でそれに素早く気付いているんじゃないだろうか。
気のせいかもしれないし、別にそれが一般的である必要はないんだけれども。
私はほたる出たら結構声で分かったよってだけだから……。
でも、ほたる側にも
「信じています。プロデューサーさんが見つけた私だから」
っていう台詞があったから。
それが、ちょっとね。
感慨深かったかな。

さて。
1曲目はVast world
この曲の歌い出しは、

まだ知らない世界を探して。
さぁ行こうfly to the new world!

そう、これは旅立ちの曲。
この日デビューしたアイドルはほたるの他にmiroirの二人も居たのだけれど。
3人の門出を祝う素晴らしい選曲で、なるほどと心の中でしきりに頷いていた。
ステージでほたるが歌ってる!って思って、内心大興奮だった。
うぉおおおおおっ!ほたるが!
ステージに!!立ってるっ!!!!
ステージに!!立・っ・て・い・る!!!!

続いてcomic cosmicを全員で。
この曲はComicalPops!の表題曲で、リズムが楽しい曲。
ほたるがこれを歌ってるだけで感慨深いよね。
楽しいし、CD早く欲しいなぁ。

今宵限りのミラクルなショー贈るよ

って歌詞がね、あるんだけれども。
昔作った白菊ほたるあいうえお作文が思い出されてね。
ここで今一度披露すると、

し:幸せみんなに分けるため
ら:ライブにモデルにテレビにラジオ
ぎ:銀幕スターにゃまだ早い
く:苦節十年歩みを止めず
ほ:微笑みかけるは鏡の私
た:大安吉日いずこにあるや
る:流転無窮の生き様よ

って言うツイートだったんだけども。
ねぇ見てよ。
ライブにモデルにテレビにラジオ。
そんで銀幕スターだってよ。
この時はさ、モデルしか叶ってなかったのにさ。
今は全部さ、全部叶っちゃって。
やりたかった事にさ、一つずつ近付いていってるんだなって思ったんだ。
あ。銀幕って映画やん。映画はまだか。ガハハ。

そう言えば、ほたるがシンデレラガールズ劇場に出たよね。
天野聡美さんはマイクを置いてきたけど、
白菊ほたるはマイクを忘れてきてたよ。
不幸が~!って言ってたけども。
あれはきっとGirls be players!の時みたいなもんで。
つまり多分あれは不幸芸だよ。
大切な言葉の時の不幸をネタにする力が役に立ったんだ。
でも最後の隕石は流石に説明はしづらいや。
まぁ白菊ほたるに勝ちたかったら、
隕石ぐらい斬れるようになってからにするんだな!
まゆの力かもしれないけど。

キミのそばでずっと
なんだよ、それ。
隣に茄子さんいるじゃん。
茄子さんとほたるの空間かよ。
はぁ~!おバカ~。
良いやんか。良いやん。
って、この日は思ったんだよね。
ミス・フォーチュン良いよね。って。
そう、この日はそう思ったんだ。

明日また会えるよね
まさかこの歌がこんなに罪深いものになるとは思ってなかった。
世界にはこんな組み合わせがあるんだね。
ほたるって、さようならを言うのが怖くて。
その日のお別れが怖くて。
次の日に会えないかもしれないから。
次の日に会えなかった事があったから。
だから、出来れば。
ばいばいって言いたくなくて。

明日また会えるよね。
って、それでもほたるが言ったの。
後で分かった事だったけども。
この日はほたるの持ち曲である「谷の底で咲く花は」が披露されなかったから。
だから、明日また会えるよね……だったのかなって。
精一杯の勇気を込めて、そう歌ったに違いない。
そう勝手に思ったんだ。

OrangeSapphire
パッションの曲って実はだいたい歌詞がノスタルジックだって気付いてた?
そうなんですよ。そうなんです。
この曲はあなたと一緒にこれからも過ごして行こうねって歌だから。
さっきの話とちょっと繋がっているんだね。

一緒にお花見をしよう。
一緒に花火にも行こう。
一緒にお月見だってしよう。
一緒にスキーにも行こう。
これからも一緒にドキドキしよう。
これからも一緒にワクワクしよう。
これからも一緒に。
ほたると一緒に夢を……。

ほたるはOrangeSapphireで光るケミカルライトの波を見て、一体何を思ったんだろう。
この曲はシンデレラガールズの中でも、ある意味1,2を争うぐらい統率の取れる曲だから。
圧倒的な熱量と、幻想的な空間を前にして、白菊ほたるは何を感じてくれたのだろうか。
ほたるはCuアイドルで持ち曲もしっとり系だから、きっとこの経験は貴重だったと思う。
下から見てても壮観だったんだから、きっと上から見たらもっと凄かったのだろう。
ちょっと羨ましいなって思っちゃった。

M@GIC
知らなかった。
この曲は最後に
ずっと大好きなキミに!
ってコールを入れる部分があるけれど。
こんなに想いが乗った曲だったんだって。
3年ぐらい経って初めて知った。
今まで少し他人事だったのかもしれない。
当事者になった瞬間これなのだからなんとも現金なものである。
でも、今なら言えるよ。
M@GICは良いぞ。

1日目はこの後、TrueColorsとお願い!シンデレラをみんなで歌ってお開きとなった。
さっきちょろっと言った通り初日はソロ曲をほたるは披露しなかったけど、
それはそれとして本当に素晴らしい日となった。
最高の誕生日だった。
全力のパフォーマンスだった。
みんな怪我なく終えられた。
ほたるがみなに改めて認めてもらえた瞬間だった。
決して忘れる事はないだろう。
最近簡単に最高を更新してる気がする。
でも良いじゃないか。
嬉しい事がいっぱいあって。
とても幸せじゃないか。
ね。そう思うでしょ?

■2日目

たくさん汗をかいちゃったワンステップスTシャツ。
これを続投させる事は流石に出来なくて、この日着る服を選ぶ必要があった。
そして私は、いわゆる10thTシャツを身につけたのだが……。
もしかしたら「なんで今更10thのTシャツなんかを」と
周りには思われていたかも知れない。
でも、これには私なりに強い意味があったのだ。
私が初めて参加したアイマスのライブは、
THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!!2015
いわゆる10thライブである。
つまりこの10周年ライブというのは私の原点の1つなのだけれども。
対して白菊ほたるがこの日披露するであろう「谷の底で咲く花は」という曲は、
過去から現在を描き最終的に未来への決意を謳う歌なのである。
あー、勘と記憶力が良い人は気付いたかも知れないけど。
天野さんは最後の挨拶で曲についてこれと同じような事を述べていたんだ。
これはね、まぁいわゆる解釈一致ってやつだよ、言わせんな恥ずかしい。
……ともあれ。
私の始まりの刻から、ライブで今この瞬間を紡ぎ、まだ見ぬ明日へと繋げる。
これは私だけの、私にしか分からない、私の為だけのおまじないだった。
私と私のほたるの間にだけ存在する、特別な絆。
このTシャツには勝手にそんな想いが込められていたのである。

この日は9月4日。
こうして"ComicalPops!"の千秋楽が開演した。

ライブのだいたいの流れは同じだった。
大きく違うのはソロ曲の部分。
例えば前日には関裕美による楽園が披露されたが、今日は披露されない。
入れ替わりで違う人が自分の持ち曲を披露していく。
つまり前日ソロを歌わなかったほたるは、自分の持ち曲を歌うのだ。

そして、時は来た。

谷の底で咲く花は

今度はこれを読んでくださっている貴方に問いたい。
この曲を聴いてみて、何を思っただろうか。
苦節13年を生き、何度も窮地に立たされながらも踏ん張って。
私と共に希望を見た。
そんな白菊ほたるの生き様を垣間見る事が、少しでも出来たであろうか。
そうであったならば私は嬉しい。
ライブを見てない人とか、曲を知らない人を若干置いてけぼりにしてはいるものの。
しかしその実。
あの圧巻のパフォーマンスは実際にその眼で見ていなければ真に正しくは伝わるまい。
壮絶で、噛み締めるような、彼女の軌跡がそこにある。

嵐の夜にいっそ千切れてしまいたくて。
と、中学生がこれを歌うのである。

待ちわびた瞬間のはずなのに震えていた。
これは身を焼く稲光に身を委ねた瞬間だ。
諦めてたけれど、彼女はやっぱり死ぬ事が怖かったのである。

そして光が射して。

あれが青い空
あれが白い雲
あれが赤い太陽
と続いていく。

いつか別の記事でも話したね。
これは白菊ほたるが初めて見た外の世界だ。
ほたるはあれらを初めて見たから、
あれ"が"青い空なのであり、
あれ"が"白い雲であり、
あれ"が"赤い太陽だったのだ。

ここまで来れば時間軸は、おおよそ今この瞬間に追い付いた。
アイドル活動に光明が見えたタイミング。
そう、この辺りが恐らく我々とほたるとの出会いである。

そして白菊ほたるは新たな世界を知り、大きな決断をする。
曲の最後に、ほたるは谷の底で光を浴びて咲くことを選ぶのだ。

ただし。
元来暗い所に咲く花っていうのは、暗い所で咲く用に出来ているから。
残酷だけど普通は明るい所では咲けないようになっている。
光というのはやっぱり相応に眩しくて。
身体が灼かれて朽ちてしまうかもしれない。
けれど。
それでも。
アイドルを辞められなくて。
アイドルを諦めきれなくて。
夢を、諦めきれなくて。

どんなにこの先つらい事があろうとも進んでいこうと。
腹を括ってそう決意したのだ。

その一端を、少しでも感じて頂けていただろうか。
まぁ、なんだ。
これが私の担当アイドルである。

これにはもはや、どんな文句がつけられようか。
手折られぬ花のカードイラストを連想させる振り付けも、
転換する場面を表現する光の演出も、
涙を堪えた歌唱も、全てが素晴らしかった。
私は白のケミカルライトを1本だけ持っていた。
ポキって折ると凄くたくさん光るやつだ。
当然ここでそれを使ったけれども、上手く振れていた自信は流石にない。
釘付けだったし、震えたし、滅茶苦茶に汗をかいた。
なんならOrangeSapphireより汗かいた。
これはマジだよ。
そういう事もあるんだね。
筆舌に尽くしがたいとはまさにこの事で。
言うとチープだけど、最高でした。
ほたる、改めて。
デビューおめでとう。

君への詩
私は既に泣いていたから、もっと泣いた。
この時はサイドステージにみんな身体を向けていたから、
一時的に列の先頭になった私の顔は、ステージの上のアイドルにしか見えていなかったけど。
この時は実は酷い顔してたんじゃなかろうか。

関裕美から白菊ほたるへの詩。
デレステのほたるのストーリーコミュ。
雨の街でほたるを見つけた関ちゃんが、とても怒ってくれた姿を思い出して泣いた。

事務所の先輩福原さんから後輩天野さんへの詩。
以前ラジオに冒頭ドラマを送った時に。
私はほたるの緊張を先輩達が和らげるという設定でシナリオを書いたものだから……。
なんだかそれがフラッシュバックして泣いた。

なんて優しい歌なんだろうって思った。
包むような歌が響いていた。
良い歌だなって、身体の芯からそう思った。

キミのそばでずっと
私は多分、勘違いをしていたのではないか。
これはミス・フォーチュンとして、ほたるが茄子さんに、
あるいは茄子さんがほたるに向けて歌った曲では、なかったのかもしれない。
いや、1日目はそうだったのかもしれないが……。
2日目は違ったのではないだろうか。
この日のこの歌は茄子さんのサポートの元で。
白菊ほたるがプロデューサーに対して想いを伝える……
そんな場として用意されていたのではないかと、私にはそう思えたのだ。
だから歌っている最中に天野さんは感極まってしまったのではないかと……。
いや違うかもしれない。全然違うのかもしれないが。

2つの未来 ひとつに重ねて
キミという光 いつでもただ信じて

と。
ほたるPは、表現の仕方は様々でも根っこの部分でほたるを信じていると思う。
あまりにも。
あまりにも。
在り方が、関係が。
私達にそっくりじゃないか。
総選挙の時の事をちょっと思い出して。
私はまた少し泣いたのだった。
夢も奇跡も本物に。
これは折れる事のない魂の旗だ。
あのスローガンは今でも私達の心に刻み込まれている。


TrueColors

あなただけの色と
わたしだけの色で
虹の橋をかけよう

果たして。
白菊ほたるは何色なのであろうか。
白色かな。ペンライト的に桃色?
いや、わたし色の羽根は黒かったばかりじゃないか。
……ならばほたるは黒なのであろうか。

一般的には虹の色に黒はない。
でも良いじゃないか。
白菊ほたるが仮に黒色だとしても。
どんなにみすぼらしかったとしても。
私は胸を張ってほたるを推すことが出来る。
むしろ誇らしい気持ちでいっぱいだ。
だってさ。
こんな色したアイドル、他にいないじゃん。
それこそ、あなただけの色じゃん。
見映えがちょっと悪くても。
そんなの別に構わないじゃん。
なんか虹の橋をかけようっていうけどさ。
虹の色だってまだ定義してないじゃん。
どんな色だってさ、私たちが良ければなんだっていいじゃん。
ほたる色にさ、世界を塗っていこうぜ。
そんな気持ちで、歌うほたるを見ていたんだ。
なんだろう。
なんだか、とても清々しい気分だったよ。

お願い!シンデレラ
私は実は数日前に、私とほたるの関係性についての記事を公開したばかりだ。
実はあの記事は多少の手直しこそあったものの、
9月3日以前に本文の九割九分は出来上がっていた。
上記の記事では超端的に言えば、
私が満ちればほたるが満ちて、ほたるが満ちれば私が満ちる
と述べている。
その後二日間のライブに臨み、1つの気付きを得た気がしている。
彼女たちは、私達の願いとリンクして誰かを照らせるスターになれるのだという。
本当は初めから、そうだったのだ。
なんかそう考えたらちょっと感動して、
シンデレラガールズ結構すげぇじゃんってなった。
頭おめでた人間だから、めっちゃ嬉しい気持ちになった。

「私は今、幸せです」
イントロで叫ばれた言葉の通りに。
白菊ほたるの新たな好きが、新たな思い出が、新たな達成感が。
私達のまさに目の前で新たに記録されたのだろう。
同志を含む私たちは、そんな記念すべき瞬間に立ち会い、喜び、あるいは涙した。

そして当然ではあるが。
私の中の記憶のアルバムにも、この幸せな時間は記録されたのだ。
絶対に忘れない。
忘れたくない。
忘れてなるものか。
そう思えた最高の2日間だった。

デビューライブは大成功だった。
ComicalPops!は大成功だったよ。
間違いない。
ほたる、最高だったぜ!!!!

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