白菊ほたる - 日の出 -

印象画を描くとは。
空間や時間の変化でおこる光の動きを。
日常の中にある対象を題材にして。
様々な色を用いて絵画に落とし込むことである。

私は絵を描く事自体は嫌いではない。
けれども学生時代に美術2とかの評価を平気で賜っていた私であるから、
突然○○派とか言われても当然全く内容を知らない。
なので急ぎ足でWikipedia先生の元を尋ね、今読みかじった知識を再要約している。

多分、印象派画家は動を静に収める表現をしたかったのだと思う。
印象画のキャンバスには殆ど直接的な線がない。
表現したいものが光の変化だったから、輪郭など必要なかったのだと思う。
ペタペタと色を重ねて絵を作り上げていく。
印象派という言葉が誕生するきっかけになった「印象・日の出」という絵を
ひとたび見れば、だいたいのイメージは掴めるだろう。
そしてこのタイプの画家は実際の光の変化が見たくて、
アトリエに籠りきりだったそれ以前とは違い外で絵を描くようになったらしい。
もっとも絵の具の発達がなければそういった活動も難しかったみたいで、時期も良かったのだろう。

何故突然私がこんな事を言い始めたのか。
それは先日シンデレラガールズに追加された新曲の題名が「印象」だったからだ。
そしてその「印象」を、担当アイドル白菊ほたるが歌ったからである。

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白菊ほたる -シンデレラ7th千葉公演 ライブレポート-

あれは白菊ほたるとしての言葉だった。
「私は今、"幸せ"です」と。
あの時、ほたるがそう言ったのだ。

言われなくても分かるとは思うけど「幸せ」と一言で言っても、
その内容は大きいものから小さなものまで様々な種類がある。
例えば。
私はメロンやいくらを食べればそれだけで幸せな気持ちになるだろうし、
お給金が上がれば幸せになるだろう。
お付き合いしていた人と一緒に居た時には当然多大な幸福を感じていたし、
友人の吉報を祝うのだって大変幸せな事である。
例えば。
白菊ほたる役の天野聡美さんなら中トロを食べれば
滅茶苦茶幸せなのだろうし、ケーキを食べればすごく幸せ。
大トロを食べてもかなり幸せだと思う。
まだあまり知らなくて、食べ物の話ばかりになった。
でも私も中トロ食べたらめっちゃ幸せな気持ちになるし、分かる……って感じだ。

ちなみに白菊ほたるは差し掛かった信号が青色なだけでも幸せを感じる少女である。
また、ゴシックモデルの仕事をした時。
松尾千鶴や佐藤心と魂のやりとりがあった、あのお仕事の時の話だが……。
あの時はランウェイを歩くほたるが幸せであると密かに教えてくれた。
他にも大小関わらず、意外にも今まで結構色々なほたるの幸せを見てきた。
が、全部紹介するのでは当記事の主旨に辿り着けなくなりそうなので流石に我慢しよう。

さて。
2019年9月3日および9月4日に執り行われた、
THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR
Special 3chord♪ Comical Pops!

このライブにて、ほたるの心の幸せ手帳には新たな1ページが追加される事となった。
冒頭に書いた「私は今、幸せです」という言葉は、
2日間あったライブの本当に最後の最後の曲である
"お願い!シンデレラ"のイントロ中に叫ばれたものだ。
白菊ほたるの新たな好きが、新たな思い出が、新たな達成感が。
私達のまさに目の前で新たに記録されたのである。
同志を含む私たちは、そんな記念すべき瞬間に立ち会い、喜び、あるいは涙した。

当記事では白菊ほたるPである私が、
このライブを通じて見た景色を綴っていきたいと考えている。
おっと。
知らない人の為に1つだけ補足がある。
Comical Pops!は、実は白菊ほたるの初舞台だ。
この記事はほたるが初めてステージに立って初めて歌を届けた……
そんな大切な2日間とその周辺の何日かを、私側視点で見た時の記録なのである。

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白菊ほたる - むしろ、世界が陽炎だから -

■世界の色が変わった日

あの夏は暑かった。
セミは相変わらずにうるさいし、アスファルトには陽炎が立つ。
ジリジリと照りつける太陽に呼応するかのように、止めどなく吹き出す汗。
お使いの帰りでチャリをこれでもかとぶっ飛ばしていたので、
もうこれはどうしたって抑えきれなかった。
何度も何度も腕で額をぬぐったのを覚えている。
もうかなり昔の出来事だ。
干支は既に一回り以上遡って実に17年前。
忘れもしない。8月10日。
お昼を過ぎて確か2時半ぐらいだったはずだ。
あの頃は幼く、無力で、目に映る世界全てがキラキラしていた頃だった。
今でも幼くかつ無力である事をまぁまぁ自覚しているが、
当時に比べれば幾らかの覚悟や諦めが身に付いたかもしれない。

ともかくあの日はとても暑かった。
チャリをマンション備え付けの駐輪場に投げるようにして止めた私は、
家に貯蔵されてるはずのアイスを目指して一目散に駆けたのだった。
そして私はすぐに異変に気が付く事になる。

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白菊ほたる - 初めて見る、「色」。-

はじめに

こんばんは。
今日は「谷の底に咲く花は」という楽曲についての話を少しだけしようと思う。
皆さんはこの曲を知っているだろうか。
この曲はアイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージというアプリにて、2019年2月9日に配信開始された。
白菊ほたるという名のアイドルの初めての手持ち楽曲……所謂ソロ曲というやつだ。
日頃からゲームを遊んでいる人達にとっては、白菊ほたるの最近を肌でなんとなく感じてくれている事だろうと思う。
元旦のご挨拶に始まり、件の楽曲先行配信と、今年に入ってからのほたるの躍進は著しい。
そしてきたる2019年5月15日。ついに同曲が封入されたCDが発売された。
ゲーム版では1番しか収録されていなかったがCDにはフルバージョンが当然収録され、その全貌が明らかにされたのだ。
私は早速CDを買い、交通事故に充分気を付けながら帰路につき、謎の機材トラブルと格闘して。
万難を排し、部屋を暗くして、ヘッドホンを身に着け。
そして私は聴いた。

……衝撃を受けた。
これは全世界に対して紹介しなければならない。
そういうものだ。
そう感じたから、今回もこうしてまた筆を執っている。
実はこういった類の衝撃は、ほたるの曲よりもほんの少し先に聴いた森久保乃々のソロ楽曲「もりのくにから」からも受けている。
受けてはいるのだが、私は普段白菊ほたるのプロデューサーを名乗っているのだ。
森久保の為の素晴らしい楽曲の紹介については、その筋の素晴らしい方々に任せたい。
私は白菊ほたるについて語ろう。

さて。
そうはいっても今回は、深くて鋭い解説や専門知識を要する考察については、かなり踏み込んだ話になってしまうので出来れば避けたいと思っている。
しかしなんとかして魅力は伝えたい。我ながら欲張りだ。
そこでこの記事では、私がこの曲を初めて聞いた時の気付きや衝撃を主に綴ろうと思う。
それらの共有を通して、楽曲ひいては白菊ほたるについて興味を持っていただくような事に繋がれば幸いだ。
深くて鋭い解説や専門知識を要する考察については、既に誇るべき同胞達がそれぞれのテリトリーにて昼夜を問わず議論や考えの公表を繰り広げている。
耳を澄ませてアンテナを立ててみれば、さらに興味深い話を盗み聞きする事だって可能だろう。
そんな行動に貴方を掻き立てるような一助になれば、それはそれは嬉しい事だと思っている。
またこの記事では出来るだけネタバレに相当する部分の開示を避けて、ほたるのパーソナリティと一部の歌詞から文章を綴ろうと考えている。
そう考えてはいるのだが、しかしその実これは私が衝撃を受けた部分の開示なのである。
まごう事なきネタバレには違いない。
中にはその部分が一番大事なんだろうが、という気持ちを抱いてくださる似た感性を持った方すらも存在するかもしれない。
だから楽曲に対して感動の最大瞬間風速を求める人や白菊ほたるを普段から応援している人にとっては、この記事は毒なのだ。
そういう性質を持った方々には今更言わなくても、もう自分でも分かるだろう。
今すぐUターンしてCDを買え。今買えない理由があるなら、ブラウザを閉じ、ほんの少しだけ我慢するのだ。
私自身がそうであるから、今こうして不躾に警告チックな真似をした。
わざわざ冒頭部分を微妙に長くし、下の部分が少しでも見えにくいように気を付けた。
この楽曲は白菊ほたるの持つ世界と密接に関係し、意味を持っている。
ゲームで公開されていた1番の部分は、とある物語のプロローグに過ぎない。
それほどまでにこの曲は大事なものだったのだ。
私はこれまで、アイドルマスターシリーズの中での最強のキャラクターソングは「細氷」か「ホントウノワタシ」か「in fact」か「羽ばたきのMy Soul」だと密かに考えていた。
最強と言いつつ4つも挙げた。オタクの悪い癖だ。Pは数が数えられない。
まぁしかし今回「もりのくにから」と「谷の底に咲く花は」はそれらと肩を並べたか、もしくは更新したかもしれない。
アナタがネタバレに敏感ならば、与える情報はこれで充分に違いない。
いいか、警告に二度はない。だから覚悟してくれ。

■新しい色

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白菊ほたる - 担当アイドルの台本を自分で決めてしまった話 -

はじめに

こんばんは。まつたけんです。
プロデューサーの皆様。いかがお過ごしでしょうか。
もはや月間白菊ほたるが展開されていると言っても過言ではないシンデレラガールズ

12月1日に6thライブの業務連絡にてCDデビュー決定。
1月1日にデレステのオールスターカウントダウンライブにボイスを引っ提げ電撃参戦。
そして先日、1月22日にモバマスの初期Rカード「白菊ほたる」にボイス実装。
更に同日、ラジオ番組「デレラジ☆」にて再度白菊ほたるが世間の陽の目を浴びる事となりました。

今回は天野さん*1が演じる白菊ほたるの声についてのお話と、デレラジ☆についてのお話を少し記していこうかなと考えています。

12月1日の事はこちらに。
nebosuke-matsutaken.hatenablog.com
1月1日の事はこちらに。
nebosuke-matsutaken.hatenablog.com
それぞれ記事があります。
その時の事についてはお時間が許せばそちらをご覧になってくだされば、と思います。

それではまずは、声のお話から。

■信頼と確信

*1:トロちゃん。あまりにも中トロが好きすぎて。天野聡美 | VIMS -ヴィムス-こちらも参照。

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