生きるのを諦めないで!

これはどんな文章?

戦姫絶唱シンフォギアを見た。
5期に渡る物語で1期毎に13話。
だから全部で65話。
この一週間、一気に駆け抜けるようにして主人公「立花響」とその周りの人々の物語を知った。

きっかけはなんてことはない。
普通の人よりは少しばかり多く水樹奈々さんのライブコンサートに行く自分が、その代表作の一つである同作品を見たことないのに少し引け目があっただけだ。
カラオケとか行く時、Synchrogazerを割と良く歌う癖にオリジナル(?)を聴いたことがないのはちょっとな、とずっと思っていただけだ。
それがアマゾンプライムビデオで無料で見られるというではないか。
じゃあいつか見ようかな、と思っていた。
いつ見るの?今でしょ。
そういう訳で、全部見た。

感想を書くし、多少ネタバレる。
5期ですら4年前の放送であるから時効が効くとは思うが、一応そういう文章なので注意されたし。

なんとなくだけど元々、この作品が「歌が大事な要素」で「変身して敵を倒し」「なんかアツい」感じの作品である事は知っていた。
まぁ合っていた。
結果的に歌は大事だったし、変身して敵を倒すし、なんかアツい感じだった。
歌が歌えない水の中では基本的には弱体化すらする。
何故か変身しない男連中がなんかやたらと強かったけど。
逆に男連中が活躍する度に笑ってた気もするなぁ。
車分身って、何?w

死が軽く、死が重い。

1期の第一話が個人的にかなり衝撃的で、一般人も容赦なく死ぬし、なんなら正義の味方側の凄そうな人も死ぬ。
死が軽いのに、死が重い。
戦争みたいで、やるせない世界だった。

この作品には絶唱というキーワードが出てくる。
歌っちゃいけない歌があって、歌うとめっちゃ強くなる代わりに死ぬ。
NARUTOに出てくるガイ先生やロック・リーの八門遁甲の陣みたいなやつだ。
強くなっていく過程で絶唱=死というシビアさは実は段々となくなっていってしまうのだが、この元々の絶唱の設定は間違いなく好きだ。
この作品の要点みたいなものは「力を持つ者の責任と選択の物語」だと言い換えてもある程度大きな齟齬は無いと感じるが、絶唱はその「選択」の部分を強く顕す要素の一つであったからだ。
自分を殺して多くを救うと、その後の防波堤が減るため結局長期的に見れば後々多くが死ぬかもしれない。
歌ってる方はそれこそ文字通り必死なので流石に後の事は考えていなかったかもしれないけれど。
儚い選択だな、と思った。

生きるのを諦めないで。

これは65話見た後でも間違いなく一番好きな台詞。
主人公の立花響が亡き人から受け継いだ大切な言葉である。
これを立花さんに伝えた者はこれを口にし、すぐに死ぬ。
生きて!と言って死んでいく。
なんてやるせない世界なんだ、と思った。

この第一話があったから完走したと言っても過言ではないかもしれない。

多分僕は立花さんの生き様が好きだと思う。
何も出来ない自分にも何かを持ってる自分にも常に迷い、何をするべきかと何をしたいのかを常に考えていた。
間違ったり、教わったり、失敗したり、逃げたり、やせ我慢したり、塞ぎ込んだり、泣いたりしながら、何かを常に選択し心に決めて、貫いていた。
最終的になあなあにしない所が本当に好きだ。

武器とか姿形とかそういうのは個人的趣味でクリスの方が好きだけど、立花さんには「立花さん」と呼ばせるような良さがあるというか尊さがあるなって感じている。

大学生の頃にどの子が主人公なのかも知らなかったのだけど
「へぇ、オレンジの子はパンチで戦うんだね、なんだかちょっと珍しい感じがするね」
って友達に言った事があった。
そうなんだよ実はそれが良いんだよみたいな事を返された記憶が微かにあるのだけれど……。
今ならその気持ち分かるなぁ、となっている。
見始めた時は正規の変身じゃないから武器が出せないのかぁと漫然と思っていた。
でも彼女が武器を出せない事自体を個性として捉えて、逆にその状態で出来る事を考えていくのは凄いなぁと素直に感心してしまった。

クリスかわいいし好きだけど、こうやって書こう(話そう)とすると立花さんの事ばかり書きたくなるので多分僕は立花響が好きなのだろうな。

戦いに赴いて叫びながら信念と拳を敵にぶつけてるとこ、めちゃめちゃかっこいいと思うわ。
もうダメだってなってる人の前で、生きるのを諦めないで!って啖呵を切るのめちゃめちゃかっこいいと思うわ。
この力は相手を壊すことしか出来ない!って震えて泣くのめちゃめちゃかっこいいと思うわ。

僕には立花さんがヒロインなのかヒーローなのか最後まで分からなかったけれど。
立花さんがめちゃめちゃ格好良くてめちゃめちゃイケてる事が知れたので無問題でした。

一生に一度、言ってみたい台詞ランキング上位にランクインした台詞。

――――だけど……生きるのを、諦めないでッ!!

呪いと祝福の台詞。
あぁめっちゃ言ってみたい。
でも冷静に考えると使える場面に出会いたくはないかもしれない。
死んだり死なれたりするの、出来れば避けたい。
現実世界ではね。
だからきっと使う機会はないんだけど。
自分の中でこの魂の言葉がなおも渦巻いてやまないのだ。

おわりに

シンフォギア、良い作品だった。
「歌が大事な要素」で「変身して敵を倒し」「なんかアツい」感じ。
良く分からん専門用語が沢山出てくるけどそこら辺はなんとなくで良くて。
どうせ立花さんとか切歌さんとかも良く分かってないみたいだから大丈夫デス!
出て来た敵にそれぞれ悪い事する理由があってなんやかんやしながら味方っぽくなる流れが割とパターン化してる所はあった。
だから一気見するには向いていないのではないかと個人的には思っているけれど。
でも週一でこれを見るという体験を想像すると、シンフォギアが流行ったのも分かるなぁという感じである。

この身朽ち果てても、伝えたいものがある
響け、生命の絶唱<ウタ>

この歌詞が自分の中で少し特別な意味を帯びたような、そんな気がする。
Synchrogazerを歌う時、もう立花さんの生き様を意識せずにはいられないかもしれないな。

完。

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